対話なくして円滑な事業承継はありません。
そこで今回は、事業承継における社長と後継者の「対話」についてお話しします。
■対話の重要性
1. 事業承継の本質は「価値観の引継ぎ」にある
事業承継において、自社株など資産の引継ぎも重要ですが、それ以上に大切なのは、「会社が何のために存在するのか」という経営理念、すなわち価値観を社長と後継者が共有することです。そのためには社長と後継者の対話が不可欠です。
2. 後継者が話せる環境をつくる
後継者が自分の考えを話せる環境がなければ対話はうまくいきません。
成功体験を押し付けない
社長の成功体験は貴重なものですが、そのまま後継者に押し付けると自分の意見が言いづらくなります。まずは後継者の考えを聞き、「どう思う?」「なぜそう考える?」と問いかける姿勢が大切です。
否定せず受け止める
後継者が新しい提案をしても、「それはうちでは無理だ」とすぐに否定されると、これもまた後継者は意見を言いづらくなります。そのようなことが何度かあると後継者は「言っても無駄」と思い、意見を言わなくなります。まずは「なるほど。そういう考えもあるな」と受け止めたうえで、課題について一緒に考えていくことが大切です。
オープンな場をつくる
社長と後継者が本音で話せる場を定期的にもつことが重要です。例えば、月に1回、経営の方向性について話す時間を設けるなど、あえて対話の機会を意識的に作りましょう。弊社のクライアントも事業承継の準備段階から定期的に社長と後継者が話せる場をもちました。
■コンサルタントなど専門家の支援を活用する
事業承継に対話が不可欠とはいえ、「話をする場をもつことができない」「話し合いができない」と言われる社長も多いと思います。そのような場合は第三者である専門家のサポートを受けることが有効です。対話の場を設定することができますし、社長と後継者だけでは気づかなかった事業承継上の課題に気づくことができます。家族間や社内では言いにくいことも、第三者が入ることで話しやすくなったというケースも少なくありません。必要に応じて専門家を活用することを検討してみてください。
■事業承継計画を「対話ツール」として活用する
事業承継計画は社長と後継者が対話を深めるためのツールとして活用できます。これからも変えずに守るべきものは何か?時代に合わせて変えていくべきものは?後継者として不足しているスキルや経験は?社員や取引先にどうやって承継を伝える?などのことを一緒に話し合いながら計画を作成することで経営理念の共有など引継ぎがしやすくなります。
※参考「事業承継計画づくりのポイント」
■まとめ
円滑な事業承継の実現には社長と後継者の対話が欠かせません。そのためには後継者が話せる環境を整えることが必要です。対話がうまくいかないなど場合は第三者の専門家を活用することも有効です。また「事業承継計画」を対話ツールとして活用することも一つの方策です。
対話なくして円滑な事業承継なし!
社長と後継者が向き合う。事業承継はここから始まります。
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